フェンダーメキシコの当たり年は?シリアル番号でわかる年代ごとの特徴や評価

フェンダーメキシコの当たり年 エレキギターの豆知識
  • フェンダーメキシコのギターを探しているけど何年制のものが評価が高いの?
  • 自分のギターを売りたいけど買取価格はいくらぐらい?

この記事ではこんな疑問をすべて解決します。

フェンダーメキシコ(メキシコ製フェンダー)の購入を検討中の人も、自分のギターやベースを売りたいという人も、フェンダーメキシコの「当たり年」や「ハズレ年」は気になるところですね。

一般的にフェンダーメキシコの当たり年は1990年代後半から2000年初頭にかけて製造されたものと言われますが、もちろんその限りではありません。

この記事では、フェンダーメキシコの具体的な当たり年やハズレ年、人気のある機種など詳しく解説します。

またフェンダーメキシコ(通称)の歴史や特徴についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • フェンダーメキシコの特徴と種類
  • 当たり年とハズレ年
  • シリアル番号で製造年を調べる方法
  • 中古フェンダーメキシコの市場価値と価格相場
  • 自分の楽器の価格を簡単に調べる方法
  • フェンダーJapan・USAとの違い

フェンダーメキシコとは?

フェンダーメキシコとは

まず最初にフェンダーメキシコについて簡単に紹介します。

「フェンダーメキシコ」とはあくまで通称で、実際にフェンダーメキシコという会社やブランドが存在するわけではありません。

フェンダージャパンは、本家のフェンダー社(USA)とは別に独立した会社でしたが、「フェンダーメキシコ」は、フェンダー社のメキシコ工場(バハ・カリフォルニア州エンセナダ)で製造されたギターやベースのことを指します。

つまりフェンダーのMade in Mexicoの製品の通称名です。

フェンダーメキシコの特徴

フェンダーメキシコの特徴を一言でいうと「コスパも良い本格派ギター」です。

メキシコ製というと「品質が悪いのでは?」と思う方もおられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

一部いわゆる「ハズレ年」に製造された機種に品質のバラツキがあるという意見も耳にしますが、それはかなりのレアケース。

フェンダー社直営のメキシコ工場はフェンダー社直営工場のため、アメリカ工場(カリフォルニア州コロナ)と同様の製造設備・材料が使われています。

またフェンダーカスタムショップのマスタービルダーがメキシコ工場の技術指導を行うなど品質管理も徹底され、USA製と同様のクオリティを保ちながらコストパフォーマンスの高いギターやベースを製造しています。

フェンダーメキシコの種類

6万円〜15万円前後で販売されるエントリーモデルとして人気の高い「Player」シリーズ、その上位モデルの「Player Plus」シリーズ」、 ヴィンテージスタイルの「Vintera」シリーズ。

さらにジミ・ヘンドリックス、ジミー・ペイジ、カート・コバーンなど数々のアーティストのシグネイチャーモデルが選べる「Artist」シリーズや「Classic」シリーズ、「Acoustasonic」シリーズ、「Deluxe」など豊富なラインナップも大きな特徴です。

実はメキシコは銀細工製品なども有名で手先の器用な人も多く、フェンダーメキシコは良質で安定したクオリティに定評があります。

フェンダーメキシコの当たり年は?

1990年から生産が開始されたフェンダーメキシコの当たり年は、1990年代後半から2000年代初頭です。

中でも特に1997年から1998年に製造されたモデルは品質に定評があり、中古品(ヴィンテージ品)も高額で取引されるギター・ベースが目立ちます。

この時期の製品は品質だけでなく、木材などのパーツも非常に良質なものが使われており「音の良さ」と「安定したクオリティ」が両立しています。

フェンダーメキシコのハズレ年は?

一方フェンダーメキシコのハズレ年は1990年代初頭と言われています。

この時期は製造工程の問題やパーツの品質にばらつきがあったため、一部のギター・ベースで品質が低下したものがあると言われています。

フェンダーメキシコ(Made in Mexico)の「当たり年」の見分け方

メキシコ製フェンダーギター・ベースの製造年代の見分け方はシリアルナンバーを見れば簡単です。

前述の通りフェンダーメキシコの当たり年は1990年後半〜2000年製ですので、下の表を参考にご自身のギターやベースのシリアルナンバーを確認してください。

シリアルナンバーは、基本的にギター・ベースのネックジョイント部分の裏面、またはヘッドの裏面に記載されています。

※一部1990年製のものについてはその年の前半と後半で、ハズレ年と当たり年が別れますので「自分のギターの査定額を知りたい」という方は、楽器の買取専門店の出張査定をしてみると良いでしょう。

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【年代別】フェンダーメキシコのシリアルナンバーの一覧

フェンダー(Made in Mexico)のシリアル番号と製造年を表にまとめました。
※もしこの表に載っていないシリアル番号をお探しの場合は、表の下のシリアル番号ルールの「例外」をご確認ください。

シリアル番号製造年代
MN0 + 5 or 6 digits1990-1991
MN1 + 5 or 6 digits1991-1992
MN2 + 5 or 6 digits1992-1993
MN3 + 5 or 6 digits1993-1994
MN4 + 5 or 6 digits1994-1995
MN5 + 5 or 6 digits1995-1996
MN6 + 5 or 6 digits1996-1997
MN7 + 5 or 6 digits1997-1998
MN8 + 5 or 6 digits1998-1999
MN9 + 5 or 6 digits1999-2000
MZ0 + 5 or 6 digits2000-2001
MZ1 + 5 or 6 digits2001-2002
MZ2 + 5 or 6 digits2002-2003
MZ3 + 5 or 6 digits2003-2004
MZ4 + 5 or 6 digits2004-2005
MZ5 + 5 or 6 digits2005-2006
MZ6 + 5 or 6 digits2006-2007
MZ7 + 5 or 6 digits2007-2008
MZ8 + 5 or 6 digits2008-2009
MZ9 + 5 or 6 digits2009-2010
“10”から始まる2桁 + スペースと8桁の数字が続く場合2009年後期からおおよそ2010年3月頃まで
MX10 + 6 digits2010-2011
MX11 + 6 digits2011-2012
MX12 + 6 digits2012-2013
MX13 + 6 digits2013-2014
MX14 + 6 digits2014-2015
MX15 + 6 digits2015-2016
MX16 + 6 digits2016-2017
MX17 + 6 digits2017-2018

※参照元:Fender公式

シリアルナンバーと製造年代の関係性・ルール

フェンダーメキシコのシリアルナンバーの付け方は、年代ごとにルールが異なります。

1990年〜2000年製

1990年から2000年の間に製造されたフェンダーメキシコのギター・ベースは、メキシコ製を意味する「M」と1990年代を意味する「N」の頭文字を含んだシリアルナンバーで構成されています。

2000年〜2009年製(一部1999年末)

1999年末よりシリアルナンバーの最初の2桁は”MN”から “MZ”に移行しました。

 “M”はメキシコを表し、 “Z”は2000年代を表します。

2009年〜2010年3月

2000年のミレニアムを迎えるにあたり、2009年末にはシリアルナンバーの最初に「10」の2桁が使用されるようになりました。「10」の2桁の後に8桁の数字が続きます。

2010年4月以後

しかしながら2010年4月よりシリアルナンバーのルールが新たに変更され、「MX」から始まり8桁の数字が続きます。

8桁の数字の最初の2桁は製造年(例:10 は 2010年, 11 は 2011年)を表し、そこで製造年代がわかります。

その他イレギュラーのシリアルナンバー

MSNから始まるシリアルナンバー

「MSN」から始まるシリアルナンバーは、Jim Root Telecaster, James Burton Standard Telecaster, Buddy Guy Stratocaster, Robert Cray Stratocaster ,Jimmie Vaughan Stratocasterの機種が対象です。

MSZから始まるシリアルナンバー

MSZから始まるシリアルナンバーは以下の機種が対象です。

  • Ritchie Blackmore Stratocaster
  • Duff McKagan P Bass 
AMXNから始まるシリアルナンバー

1997年から1998年に製造さらたCalifornia Seriesのギターとベースは「AMXN」から始まります。

※その他、一部イレギュラーなシリアルナンバーが使われる機種もあります。

中古のフェンダーメキシコの市場価値や価格

フェンダーメキシコの中古市場・買取価格

フェンダーメキシコは中古市場でも比較的高く評価されています。

中古販売価格は平均的に4万円台〜8万円台のものが多いですが、プレイヤーモデルなど希少性の高い製品はさらに高額で取引されています。

例えば新品で13万円前後で販売されているギターと同機種のものが中古で15万円前後で販売されているなど、中古でも定価より高値で取引されるケースは少なくありません

フェンダージャパンのように定価の2〜3倍もの価格が付いた中古品は、フェンダーメキシコではあまり見かけませんが、根強い人気があることは確かです。

一方ハズレ年は1990年初頭に製造されたもので、この時期のフェンダーメキシコは一部品質が悪いものがあると言われています。

価格高騰するフェンダージャパンの当たり年はこちら

自分のギターやベースの価格(中古市場価値)を調べる方法

すでにギターやベースをお持ちの方で「今の市場価値を知りたい」という方もおられるでしょう。
そういう方は、無料で出張査定してくれる楽器の買取専門店で一度査定してみることをおすすめします。

特に2000年までに製造された当たり年のフェンダーメキシコは、当時の定価よりも中古価格が高いケースもあります。またその他に古い国産のギターやベースをお持ちの場合は、かなり高額な査定額が付く可能性があります。

最近は古い国産ギターがジャパンヴィンテージとして海外でも人気があり、中古でも定価の2〜3倍で取引されています。

特に最近はフェンダージャパンの価格が高騰していますが、グレコやトーカイ、アリアプロⅡやフェルナンデスなどのギターも高額で取引されているので、一度試してみると良いでしょう。

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※グレコやトーカイなど中古価格が高騰!ジャパンヴィンテージギターの解説はこちら

フェンダーメキシコと他のギターを比較

フェンダーメキシコ(通称)と、フェンダージャパンやフェンダーUSAの違いがよくわからないという人向けにその違いをシンプルに解説します。

フェンダーメキシコとフェンダージャパンはどちらが良いのか?

フェンダーメキシコとよく比較対象にあげられるのがフェンダージャパンですが、それぞれ異なる魅力を持っています。

フェンダーメキシコ
コスパの良さと製品ラインナップの豊富さに定評がある

フェンダージャパン
製造技術と材質の良さによる品質の高さと、ヴィンテージとしての価値に定評がある

いずれもフェンダーUSAの管理のもと製造されていますが、それぞれ特徴が異なるため、プレイヤーやコレクターのこだわりポイントでその良し悪しが分かれます。

フェンダージャパン(1982年〜2015年)については、特にブジゲンが製造していた初期の1982年〜1997年製のギターが高く評価されています。

当時のフェンダージャパンは技術や材質のクオリティが高く、またヴィンテージとしての価値が見直され、現在は非常に価格が高騰しています。

90年代のフェンダーメキシコは品質が悪いのか?

1990年代のフェンダーメキシコは品質が悪いという評判を聞いた方がおられるかもしれません。

確かに1990年の前半までは製造技術や品質管理に問題がありましたが、1990年後半には品質管理が徹底されることで解消しています。

逆に1990年後半から2000年にかけてはフェンダーメキシコの品質が最も高い「当たり年」と呼ばれる時代に移ります。

つまり1990年前半の一部の個体のみ品質の悪い製品があったということです。

メキシコ製とUSA製のフェンダーギター・ベースの違い

まずフェンダーのメキシコ製とUSA製は加工技術も仕上げの美しさも違いはありません。

フェンダー社はメキシコ工場とUSA工場とで、製造するシリーズ(グレード)を分担しています。

メキシコ工場製のフェンダー

プレイヤーシリーズ、ビンテラシリーズ、クラシックシリーズ、デラックスシリーズ、アーティストモデル(メキシコ製の価格帯: 6万円~15万円前後)

USA製のフェンダー

アメリカンシリーズ、アーティストモデル(USA製の価格帯: 20万円〜35万円前後)

※表記の価格帯はあくまでも中央値であり、それぞれさらに高額な機種は多数あります。

フェンダーメキシコのテレキャスター

フェンダーメキシコのテレキャスター

メキシコ製の代表的なテレキャスターStandard Telecaster(スタンダード テレキャスター)は、フェンダー社のテレキャスターの標準モデルの位置付けとなります。

世界的なギターメーカーであるフェンダー社が標準モデル(スタンダード)をメキシコ工場に任せていることからも、そのクオリティと信頼性が高いことはわかると思います。

一方、USA製の代表的なテレキャスターはAmerican Professional Telecaster(アメリカン プロフェッショナル テレキャスター)

で、こちらはフェンダーテレキャスターの上位モデルという位置付けです。

メキシコ製とUSA製で、塗装や色の種類、フレット数や仕上げ方法などもちろん異なる部分はありますが、基本的に製造技術的な違いはありません。

フェンダーメキシコのストラトキャスター

フェンダーメキシコ工場で製造されるストラトキャスターには、プレイヤーシリーズ、ビンテラシリーズ、クラシックシリーズ、デラックスシリーズ、アーティストモデルなど様々なラインナップがあります。

一方、USA工場はアメリカンプロフェッショナルストラトキャスター、アメリカンウルトラストラトキャスター、アメリカンオリジナルストラトキャスター、アメリカンパフォーマーストラトキャスター、アーティストモデルなどを製造しています。

フェンダーメキシコのベース

フェンダーのメキシコ製ベースも、フェンダー社の標準モデルとしての位置付けにあたります。

中でも代表的なフェンダー スタンダード ジャズベースは人気が高く、指板とカラーのバリエーションにより価格帯が異なります。

メキシコ工場で製造される、いわゆるフェンダーメキシコのギターやベースは、フェンダー社の標準モデルとしてのクオリティとコストパフォーマンスの高さにより、世界中に多くのファンを持っています。

【まとめ】フェンダーメキシコの市場価値は「当たり年」より個体差で決まる

フェンダーメキシコのギターやベースの当たり年は1990年後半から2000年製で、中でも1997年から1998年製が最も高額で取引されています。

ただし具体的にどの機種の市場価値が高いのかは、実際に個体のコンディションや希少性で決まるため素人だけでは判断が難しいところです。

もし自分のギターやベースの市場価値を知りたい場合はやはり専門業者で査定してみるのが簡単で確実です。

その際は少なくとも複数の業者で、相見積もりをとることをおすすめします。

中古楽器は買取業者により査定額が大きく異なるケースが多いので「ある業者では数千円だっものが、他の業者で数万円」ということもよくあります。

なお、無料で出張査定してくれる楽器の買取専門店もいくつかありますので試してみると良いでしょう。

以下は私のギターを各社で見積もってもらった査定額ですが、「業者ごとにこんなに違うのか?」という意味で参考にしてみてください。

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