グレコギターの評価は?今ジャパンヴィンテージとして中古価格が高騰する理由も徹底解説

グレコギター・ベースの評価 ジャパンヴィンテージギター
  • グレコのギターを持ってるけど、今どれくらいの市場価値があるのかな?
  • 購入を検討中だけど、グレコの評価はどうなんだろう?

そんな疑問を解決します。

グレコ(Greco)ギターは1970年〜1980年代にかけて、国産ギターとしてトップクラスの人気があり、当時は楽器店に行くと、店内に並ぶエレキギターの30%ぐらいはグレコのギターが占めているという状況でした。

私が初めて購入したエレキギターもGreco EG500(レスポールタイプ)でした!

ただし現在、「グレコギターの評価は?」という疑問に対して、以下の2つの視点でその評価は大きく分かれます。

  1. ヴィンテージギターとしての評価
  2. 現行モデルの評価

この記事では、グレコのヴィンテージギターと現行モデルの両方の評価についてそれぞれ詳しく解説します。

グレコのギターやベースをお持ちの方はその市場価値を知る方法を、購入を検討中の方は新品・中古含めた選び方がわかるので、ぜひ目を通してみてください。

この記事でわかること
  • グレコギター・ベースの評価(ヴィンテージ/ 現行モデル)
  • 最も人気のある「当たり年」
  • シリアル番号で製造年を調べる方法
  • 特に人気のある機種
  • 自分の楽器の価格を簡単に調べる方法
  • グレコギターに関する口コミ
  • グレコギターの歴史

グレコ(Greco)ギターの評価は?

グレコEG500レスポールタイプ
  • 過去のモデルはヴィンテージギターとして非常に高く評価されている
  • 現行モデルの評価はあまり高いとは言えない

古いグレコギターと現行モデルそれぞれの評価の理由について詳しく解説します。

グレコギターがヴィンテージとして高く評価される理由

古いグレコギターが高く評価されている理由は、その品質の高さや独自性・希少性によるものです。

実はここ数年、古い国産のエレキギターやベースが「ジャパンヴィンテージ」として再評価され、中古市場の価格が高騰するという現象が起きています。

これはYouTubeなどの影響で海外のギターマニアにジャパンヴィンテージギターが知れ渡ったことが大きな要因で、その中でもグレコは特に人気が高いブランドの一つです。

中古市場では定価の2〜3倍で取引されるものもあり、例えば定価5万円のグレコギターが10万円以上で売られていることも少なくありません。

実際に私の所有していたGreco EG500(レスポールタイプ)は、コンディションが悪いにも関わらず59,000円で買取に出すことができました。

ジャパンヴィンテージギターが人気の理由

GrecoをはじめTOKAI・Aria Pro Ⅱ・Fernandes・YAMAHA・Fender Japanなど、古い国産ギターの人気が高い理由は、時代背景が大きく影響しています。

1970年代、日本のギターメーカーは当時フェンダーやギブソンのギターを見よう見まねで模倣し、独自の製法で製造していました。

こうした独自性と日本人特有の技術力により生まれたジャパンヴィンテージギターは、高い品質とともに独自のサウンドを持つことになりました。

それから数十年を経て、世界中のギターファンから注目を浴びるようになったのです。

ジャパンヴィンテージギターの詳しい解説はこちら

グレコギターの中で特にヴィンテージとして評価が高い製造年は?

グレコのエレキギター・ベースの中でも特にヴィンテージとして評価が高いのが1970年代〜1980年代前半に製造されたものです。

この時代はグレコが最も事業に力を入れた頃で、年代毎に独自の製法で様々なギターが開発され、また当時は質の高い木材が使用されたこともあり今でも高く評価されています。

グレコギターの製造年代はシリアル番号で確認

グレコギターの製造年代を調べるにはシリアル番号を見ればある程度わかります。

1975年以前のグレコギター

1975年以前に製造されたグレコギターにはシリアル番号がついておらず、具体的な製造年はわかりません。

ただ逆にいうとお持ちのギターやベースにシリアル番号がない場合、ヴィンテージとして人気の機種である可能性が高いとも言えます。

ぜひ一度ギターのヘッドの裏や、ネックとボディのジョイント部分を確認してみてください。

1975年〜1994年のグレコギター

この時期に製造されたグレコギターには基本的に7桁の英数字のシリアル番号が付いています。

※なお1980年以降製造の一部の機種で5桁のシリアル番号のものがありますが、このタイプはシリアル番号から明確な製造年は判別できません。

7桁シリアル番号の例: E780001

頭文字のアルファベットは製造月を表します。

A=1月 / B=2月 / C=3月 / D=4月 / E=5月 / F=6月 / G=7月 / H=8月 / I=9月 / J=10月 / K=11月 / L=12月

続いて最初の数字2桁は製造年で、あとの4桁が製造番号となります。

例えば「E780001」の場合、1978年5月に製造された1番目の個体となります。

1995年以降のグレコギター

1995年以降製造のグレコギターには7桁(数字)のシリアル番号が付いていますが、具体的な製造年は判別できません。

自分のギターの価値(価格)を調べる方法は?

すでにグレコのギターやベースをお持ちの方は「自分の楽器が今どれくらいの価値があるのか?」気になるのではないでしょうか?

その場合は、ぜひ古い国産ギターの市場価格が高騰している今のうちに価格査定してみてください。

楽器専門の買取業者の中には、出張で無料査定してくれるところがあります。コンディションが悪いものや、壊れているものでも想像以上の査定額が付くお宝品の可能性もあります。もちろん価格に納得できなければ、査定だけして断っても全く問題ありませんのでお気軽に確認できます。

以下の買取専門店は、無料の出張査定サービスがあり、その日に現金受け取りもできます。

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グレコギターの現行モデルの評価が低い理由

まずグレコの現行モデルの評価が低いという根拠は、ねとらぼリサーチによる最新の人気ブランドランキング(2025年5月時点)によります。

この調査によるとグレコはトップ28位以内にはランクインしておらず「評価が高い」とは言えない状況です。

ただしこのランキングは必ずしもグレコギターの品質に対する評価ではありません

現在グレコはギターの製造数を絞り、楽器店などでもあまり流通していないため、ブランド自体を知らない人も多いことがランキングに影響していると考えられます。

グレコギターのコアなファンも一定数みられ、その品質に満足する口コミもあります。

【徹底比較】グレコギターのモデル別評価と特徴

ここからは、グレコギターの各モデルを具体的に見ていきましょう。

グレコには、ギブソンやフェンダーなど海外の有名ブランドのギターをかなり忠実に再現した様々なタイプのギターがあります。あなたがどんな音楽をやりたいか、どんな音が好きなのか、思い浮かべながら読んでみてください。

王道モデル①:レスポールタイプ(EGシリーズ)

「エレキギターの王様」とも呼ばれるGibsonレスポール。グレコが手掛けたレスポールのコピーモデル「EGシリーズ」は国産ヴィンテージギターを語る上で絶対に外せない存在です。

結論:グレコEGシリーズは、「本家ギブソンに迫る」と評されるほど完成度の高いモデルです。

その理由は、グレコギターの製造を担っていたフジゲンの技術力にあります。

フジゲンは、ギブソンのようなアメリカ製ギターの特性を徹底的に研究し、木材の選定から組み込み、塗装まで、日本人の丁寧な職人技で再現しました。

特に80年代のSuper Realシリーズなどは、本家ギブソンと同じ製法を採用し、ヴィンテージ市場でも高い評価を得ています。

例えば、多くのギターファンが憧れるEG-1000は、そのサウンドや弾き心地が本家ギブソンのヴィンテージに酷似していると評判です。

中古市場でも高値で取引されていますが、当時のギブソンの価格と比べると驚くほどのコストパフォーマンスを誇っていました。

【購入のポイント】

グレコのレスポールタイプを選ぶ際は、年代や仕様の違いを比較することが重要です。

  • 70年代前半: グレコ・ロゴが縦ロゴの時代。比較的安価なモデルも多く、中には独特の個性を持ったサウンドのものもあります。
  • 70年代後半〜80年代前半: グレコ・ロゴが横ロゴになる時代。Super RealシリーズMint Collectionといった名器が生まれ、品質は最高峰に達しました。ジャパンヴィンテージとして特に価値が高いのはこの時期のモデルです。

王道モデル②:ストラトタイプ(SEシリーズ)

グレコSE1200

「グレコ=レスポール」のイメージが強いかもしれませんが、ストラトタイプ「SEシリーズ」も非常に評価の高いモデルです。

結論:グレコSEシリーズは、本家フェンダーとは一味違う、日本人好みの実用的なサウンドが特徴です。

グレコは単にフェンダーをコピーしたのではなく、日本の気候や日本人のプレイスタイルに合わせたギター作りを追求しました。

その結果、本家フェンダーのストラトよりもクリアでクリーンなサウンドが出しやすいという評価がよく見られます。

また、ネックの握りやすさやフレットの処理など演奏性にも優れているのが魅力です。

【購入のポイント】

SEシリーズは様々な年代で製造されていますが、特に80年代前半のモデルはフジゲンの高い技術が結集しており、ジャパンヴィンテージとしても人気があります。

③隠れた名器:セミアコ/フルアコタイプ(SA/FAシリーズ)

Greco SA900 FA95

「グレコでジャズやブルースをやりたい!」と考えているなら、セミアコモデルのSAシリーズやフルアコモデルのFAシリーズがおすすめです。

結論:グレコSA/FAシリーズは、温かみのあるサウンドと美しいデザインが魅力の隠れた名器です。

特にセミアコSAシリーズは、ギブソンES-335モデルを意識して作られており、ブルースやロック、フュージョンなど幅広いジャンルで活躍します。温かみのあるサウンドは、バンドアンサンブルにもよく馴染みます。

グレコのSA/FAシリーズは、EG/SEシリーズと比べて製造数少なくその希少性から中古市場でもかなり高額で取引されることがあります。

④オリジナルギター: GOシリーズ

Greco GO

グレコのオリジナルモデルとして人気が高いのがGOシリーズです。

希少性が高く、中古市場で40万円以上で取引されるものもあります。

グレコギター モデル別 評価比較表

モデル名主な特徴評価のポイントおすすめのジャンル
EGシリーズ (レスポール)重厚なサウンド、サスティーン本家ギブソンに迫るクオリティロック、ブルース、ハードロック
SEシリーズ (ストラト)クリアなサウンド、高い演奏性日本人好みの実用的な仕様ポップス、ロック、ファンク
SA/FAシリーズ (セミアコ/フルアコ)温かみのあるサウンド、美しい外観丁寧な作り込み、汎用性の高さジャズ、ブルース、フュージョン

この表を参考に、あなたの音楽スタイルに合ったグレコギターのモデルを見つけてみてください。どのモデルも、価格以上の価値を持つ素晴らしいギターです。

グレコギターの口コミ評価は?

グレコギターに関するYahoo!知恵袋の口コミをいくつか紹介します。

少し辛口な意見も見られますが参考にしてみてください。

現行品のグレコに関しては評判がイイか?って言われれば、NOでしょうね。グレコのこのギターを買え!って話題に上がる事ないですから。モノが悪いか?って言うのに関しては値段なりです。

 一方で中古になるとGOシリーズとかミラージュと人気のモノもあります。

 違いは単純に現行品は安くスタンダードなモノしか作っておらず、昔は色々作っていたよって感じです。5~6年前だと20万くらいのも普通に作っていて、レスポールジュニアスペシャルでビグスビー搭載・ただしリアはテレキャスって言う面白い仕様のとかも作ってたんですけどね。

70年代後半から80年代初頭の上位機種は、いい材を使ってるしフジゲン製なので好きです。

あたりまえですが、いいやつもあれば悪いやつもあります。

 困ったことに数年前からのジャパンビンテージブームという(小さな)ブームのせいで、昔の日本製のギターは良い!みたいな勘違いが広がって、大してよくも無いものまで高い値段で売り出されているのを見ると辟易しますね。

 だいたいヤフオクとかで出品者自ら「希少」とか「激レア」とかついてるものは疑ってかかった方がいいです。

グレコギターの歴史

グレコギターの評価を語る上でその歴史は欠かせません。グレコは、単なるギターブランドではなく、日本のエレキギター史のパイオニア的な存在です。

黎明期:手探りの時代(1960年代)

グレコは、1960年代に神田商会のオリジナルブランドとして誕生しました。

当時は、日本の楽器メーカーが海外の有名ブランドを研究し、試行錯誤を繰り返していた時代です。

グレコも、フェンダーやギブソンといった憧れのギターをどうすれば日本で手頃に、かつ高い品質で提供できるかを模索していました。

この時期のグレコギターは、まだデザインや仕様に独自の路線を模索している段階で、現在のような「コピーモデル」とは少し違った、個性的なギターが多かったのが特徴です。

黄金期:ジャパンヴィンテージの誕生(1970年代〜80年代)

1970年代に入ると、グレコは後の「ジャパンヴィンテージ」と呼ばれる傑作を次々と生み出していきます。この時期の大きな転機はフジゲンとの協力関係が本格化したことです。

フジゲンは徹底的な研究と高い木工技術で、ギブソンやフェンダーのギターを驚くほど忠実に再現しました。

その結果、「本家と見分けがつかない」「本家以上の品質だ」といった声も聞かれるようになったほどです。

特に、以下のシリーズは伝説として今も語り継がれています。

  • EGシリーズ(レスポールタイプ): ギブソンのレスポールを忠実に再現。特に80年代のSuper Realシリーズは、現在でもヴィンテージ市場で高値で取引されています。
  • SEシリーズ(ストラトキャスタータイプ): フェンダーのストラトキャスターを日本独自の解釈で再現。本家にはない、より丁寧な作りとクリアなサウンドが人気を博しました。

これらのモデルは、手の届かなかった海外ブランドのギターを、日本のギタリストたちが手にするきっかけを作りました。

グレコは、単なるコピーブランドではなく、高品質な国産ギターの代名詞となったのです。

現在:新たな挑戦と再評価(1990年代〜現在)

1990年代以降グレコは生産拠点を海外に移すなど、ブランド戦略を転換しました。

これに伴いジャパンヴィンテージ時代のモデルとは異なる方向性のギターを多く発表するようになります。

現在もグレコは新たなギター作りに挑戦し続けています。

またかつての人気モデルを復刻したモデルも登場し、一部のギターファンから注目を集めています。

グレコギターの歴史は、日本のギター文化の進化そのものです。もしあなたがグレコギターを手に取ることがあれば、そのギターが歩んできた道のりや日本の職人たちの情熱に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

グレコギター・ベースに関するよくある質問

Grecoを使用したプロのギタリストは?

プリンセス・プリンセスの奥居香・中山加奈子、土屋昌巳(一風堂など)、白田一秀(プレゼンス)、成毛滋ほか

※B’zの松本孝弘が最初に入手したギターはGrecoのレスポールタイプだったとインタビューで話しています

グレコのテレキャスタータイプの評価は?

グレコのテレキャスタータイプ(TLシリーズ)は、レスポールタイプ(EGシリーズ)ほど評価は高くありませんが、一部のヴィンテージ品は20万円以上で取引されるものもあります。

グレコギターはどこの国で製造されている?

基本的には日本国内で製造されていますが一部韓国で製造されているものもあります。

グレコギター・ベースのカタログは?

グレコギター・ベースのカタログは下記のサイトにまとめられています。

グレコギターの評価まとめ

最後にこの記事で紹介した「グレコギターの評価」に関する内容をまとめていますのでぜひご確認ください。

  • グレコギターの評価はヴィンテージと現行モデルでわかれる。
    • 過去のモデルはヴィンテージギターとして非常に高く評価されている
    • 現行モデルの評価はあまり高いとは言えない
  • グレコギターの中で特に人気のある「当たり年」は1970年〜1980年代製
  • グレコギターの現行モデルは国産ギター人気ランキングで28位だが、一部コアなファンもいる
  • 特に人気の機種はEGシリーズ(レスポール)、SEシリーズ(ストラトキャスター)、SA/FAシリーズ(セミアコ/フルアコ)
  • グレコギターの歴史は日本のギターの歴史そのものと言えるほど大きな影響を与えてきた
  • 自分のグレコギターの価値(売値)を調べるなら楽器専門の買取業者で無料査定するのが簡単でおすすめ
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