最近その魅力が再評価され、世界中のギター愛好家から注目を集めているジャパンヴィンテージギター。
Fender Japanを始め、Greco・TOKAI・YAMAHA・Aria Pro Ⅱ・Fernandesなどなど、
数年前まで中古で数千円ほどで取引されたギターやベースが、最近では数万円から数十万円になるものも少なくありません。
まさにジャパンヴィンテージのブーム到来!

実は私も、20年近く押し入れで眠っていた定価5万円のGreco EG500(レスポールのコピー)を査定したら59,000円に。
定価65,000円のFender Japan ST62-65(ストラト)は118,400円と、買取価格が定価を大きく上回っていました!
ジャパンヴィンテージギターは、独自の製法と長い年月を経て得られたサウンドや現代のギターにはない風格、そして日本製の高い品質が評価され多くのギターファンを惹きつけています。
そこでこの記事では、ジャパンヴィンテージギターについて様々な角度から詳しくご紹介します。
- ジャパンヴィンテージの歴史や特徴
- 主なブランドや機種
- 各ブランドの価格の相場
- 自分のギターやベースの市場価格の調べ方
- ヴィンテージギター入手の注意点
価格高騰するジャパンヴィンテージギターとは?その魅力と歴史

一般的にジャパンヴィンテージギターとは、主に1970年代から1980年代にかけて日本のギターメーカーによって製造されたエレキギターやベースを指す通称です。
この時代に製造されたギターの魅力は単にヴィンテージとしての価値だけではありません。
モノづくりに長けた日本の職人が海外の有名ギターブランドへの憧れや強い情熱を持ち、試行錯誤して生まれた独自のサウンドが人気の秘訣です。
「ジャパンヴィンテージ」は和製英語
実は「ジャパンヴィンテージ」という言葉自体は和製英語です。
海外では“Vintage MIJ Guitar”(MIJ=Made In Japan)などの表記が一般的です
「ジャパンヴィンテージ」という呼び名が使われるようになったのは2000年以降、特にシンコーミュージック社から刊行された「ギターマガジン」等の書籍の影響が大きいと言われています。
2000年以降、少しずつ古い日本製ギターが再評価される動きがあり、国内の雑誌などで取り上げられるようになっていました。
その後、特にYouTubeなどの影響で世界中のギター愛好家やコレクターがジャパンヴィンテージギターを注目するようになり、最近では中古市場で高額な取引が行われています。
なぜ70年代~80年代製の国産ギターが注目されているのか?
1970年代から1980年代は、世界的にロックミュージックの全盛期となりギターの需要が急速に高まった時代です。

筆者もまさに80年代前半にロックにのめり込みエレキギターを購入した1人です。(初めて買ったギターはGreco EG500というレスポールタイプ)
一方、アメリカの有名ギターブランドであるフェンダーやギブソンは、経営権の移転などにより主力製品の仕様変更を様々な形で行っていました。
当時、市場では1950年〜1960年代を中心とした旧来の仕様を持つギターを求めるニーズがあったものの、これら有名ギターブランドは復刻版の製造に消極的でした。
国産ギター時代の到来
そこにビジネスチャンスを見出した日本のギターメーカーが、これらの旧来型の製品を高いレベルでコピーしたギターの製造・販売を開始。それが爆発的な人気に繋がりました。
モノづくりに長けた日本人が「アメリカに追いつけ、追い越せ」と試行錯誤し、各社で競いながら凄まじい勢いで質の高いエレキギターを生み出していきました。
日本のギターメーカーはコピー製品の製造・販売を通じて得た収益を、最新鋭の工作機械であるNCルーターなど新型製作機器の導入に積極的に投資。
それに伴い製造技術も飛躍的に向上し、国産ギターは1970年代後半から1980年代初頭にかけて円熟期を迎えます。
中にはオリジナルのギブソンやフェンダーにも勝る品質の国産ギターが産まれたと言われるほど日本のギター産業は急成長しました。
ジャパンヴィンテージの特徴・独自性
この時代背景は、ジャパンヴィンテージギターの独自性を形成しました。
日本のギターメーカーは単に海外製品を模倣するだけでなく、独自の技術と工夫を凝らし高品質なギターを生み出しました。
これらのギターは、当時の音楽シーンを支え、多くのギタリストたちに愛用されただけでなく、現代においてもその価値を認められています。
例えばあの世界的ギタリストであるカルロス・サンタナがYAMAHAのSGモデルを愛用していたことも有名な話です。

ジャパンヴィンテージギターの魅力と価格高騰の理由
今なぜジャパンヴィンテージギターの価値が再評価され中古市場の価格が高騰しているのでしょう?
その理由は、独自の歴史から生まれたジャパンヴィンテージならではの魅力によるものです。
ジャパンヴィンテージギターの魅力は主に「独自のサウンド」「品質」「コストパフォーマンス」「希少性」「独自のデザイン」の5つです。
- 独自のサウンド
- 耐久性が高く安定した品質
- コストパフォーマンス
- 希少性
- 独自のデザイン
1.独特のサウンド
まず挙げられるのはその独特のサウンドです。
当初、日本のメーカーは海外製品を見よう見まねでエレキギターの製造を行うところからスタートしました。
フェンダーやギブソンの音色や操作性に近づけるために、各社が知恵を絞って試行錯誤。それぞれが独自の製造工程でギターを製造しました。
その結果、それぞれが独自のサウンドを持つことになり、今多くのギターファンがそのオリジナルサウンドを追い求めています。
また良質な木材が使われた「当たり個体」と呼ばれる、特に優れたサウンドを持つギターが存在することも、ジャパンヴィンテージギターの魅力の一つです。
2.耐久性が高く安定した品質
次に、その高いビルドクオリティと耐久性も特筆すべき点です。当時の日本の職人たちの丁寧な仕事ぶりにより個体ごとの品質のバラつきが少なく、製造から数十年を経た現在でも多くのギターが良好な状態を保っていることからも伺えます。
3.コストパフォーマンス
こうした独自のサウンドや品質を保ちながら低価格で販売されていたことも大きな魅力の1つです。
当時5万円も出せば、中にはプロの演奏にも充分なクオリティのエレキギターやベースが手に入りました。
またジャパンヴィンテージとして再評価され中古価格が高騰する今でも、海外ブランドと比較すると信じられないほどのコストパフォーマンスの良さがある個体も多く、世界中のギターマニアの心を掴んでいます。
4.希少性
さらに、コレクションとしての価値も高まっています。
希少なモデルや限定版を見つけ、コレクションする楽しみはジャパンヴィンテージギターならではのものです。
5.独自のデザイン

また特に1970年代までに製造されたジャパンヴィンテージギターの中には図らずとも独自にデザインになったギターもあります。
これは、情報入手が困難だった時代にスイッチなど国内のパーツを利用して製造されたことがそのデザインに独自性をもたらせたためです。
また198年代になると、海外ギターのコピーモデルだけでなく、日本のギターメーカーがオリジナリティを意識したギターやベースの製造に積極的に取り組むようになり、独自性の高いデザインが生まれました。
これらの魅力は、ジャパンヴィンテージギターが単なる楽器ではなく、文化的な遺産としての価値を持つことを示しています。
それぞれのギターが持つ個性的なサウンドやデザイン、その歴史は演奏する喜びだけでなく、所有する喜びも与えてくれます。
主なジャパンヴィンテージギターブランドとモデル
ジャパンヴィンテージギターには、数多くの魅力的なブランドとモデルが存在します。
ここでは、特に人気の高い主要なブランドとその代表的なモデルを紹介します。
- Fender Japan(フェンダージャパン)
- Greco(グレコ)
- YAMAHA(ヤマハ)
- Tokai(トーカイ)
- Ibaneze(アイバニーズ)
- AriaProⅡ(アリアプロツー)
- Fernandez(フェルナンデス)
Fender Japan(フェンダージャパン)

ジャパンヴィンテージギターの代表格とも言えるフェンダージャパンは、1982年〜2015年にかけて製造されました。
フェンダー・ジャパンは、本家アメリカのフェンダー社と日本の楽器メーカーであるフジゲンが共同で設立した会社で、当時フェンダーのコピーモデルが日本で多く出回ったことを危惧したフェンダー社が高品質な日本製フェンダーギターを製造するために立ち上げられたブランドです。(現在の日本製フェンダーギターと、フェンダージャパンは別の法人)
当時の定価は5万円台から。本家フェンダーUSAさながらのストラトやテレキャスターが学生や初心者でも購入できたフェンダージャパンの存在は日本のギターシーンに大きな影響を与えました。
特に初期の1982年〜1997年に製造されたギター・ベースは、品質管理の徹底や良質な木材が使われたなどの理由で人気が高く、現在では定価の3倍以上で取引されるものもあります。
Greco (グレコ)

グレコは1980年代までを中心に多くの種類のギターを製造たブランドです。
そのラインナップは、レスポールやストラトキャスターといった海外の有名モデルの精巧なコピーモデルから、GOシリーズやMRシリーズのような独創的なオリジナルモデルまで多岐にわたります。
特に1970年代後半から1980年代前半にかけて製造されたコピーモデルは完成度が高く、現在でも高い評価を得ています。
あまりにも精巧にコピーしたため本家ギブソンから訴訟を起こされたというエピソードも、グレコのコピー技術の高さを物語っています。

余談ですが私が中学生の頃、当時流行っていたヘビメタ風のギターを買いに楽器店に行ったつもりが、生で見たGrecoのレスポールタイプ(EG 500)の美しさに圧倒され、思わず購入した思い出があります。
YAMAHA (ヤマハ)

ヤマハはコピーモデルも製造していましたが、SGシリーズをはじめとするオリジナルのギターモデルに強いこだわりを持つメーカーです。
左右対称の美しいシルエットと重厚なサウンドを持つSGシリーズは特に人気が高く、上位機種を中心に中古市場では価格が高騰傾向にあります。
SGシリーズはその美しいデザインと優れた演奏性、音の伸びの良さから、ロックやジャズ・フュージョンを中心に今なお多くのプロギタリストにも愛用されています。

実際にYAMAHAのSGを弾いてみると、特にハイポジションの弾きやすさに感動しました!
SG以外のSCシリーズやSFシリーズなども、ヤマハらしい高い品質を持つオリジナルモデルとして知られています。
また、セミアコースティックギターのSA-2000Sは特にジャズやブルースのジャンルで高く評価され、特に1982年製の個体がジャパンヴィンテージの名器として評価されています。
ヤマハのギターは高い技術力と品質管理により、安定した品質に定評があります。
高中正義、野呂一生、ジョン・フリシアンテ(レッチリ)、カルロス・サンタナ、アラン・ホールズワースほか
Tokai (トーカイ)

トーカイは、レスポールモデルの「Love Rock」シリーズや、ストラトキャスタータイプのコピーモデルで高い評価を得ているブランドです。
特に、1970年代後半から1980年代前半にかけて製造されたモデルは、その完成度の高さからオリジナルに匹敵するとも言われています。
中でもLS120以上のモデルは中古市場でも非常に人気が高く、見つけたらすぐに買い手がつくほどの人気です。
また世界初のアルミ合金ボディのTalbo(タルボ)シリーズなど、独創的なオリジナルギターにも力を入れており、その希少性が人気となり現在も中古市場で高値で取引されています。

HISASHI(GLAY)、平沢進、HACKAI、福助いずれもTOKAI Talboを使用。
Ibanez (アイバニーズ)

アイバニーズ(以前はイバニーズと呼ばれていた)は、海外市場でも高い評価を得ている日本のギターブランドで、1970年代~80年代にはARシリーズをはじめとする個性的なモデルを数多く製造してきました。
特にARシリーズはその独特なデザインと多彩なサウンドにより、フュージョンやロックなどのジャンルで人気を集めました。
アイバニーズのギターはその革新的なデザインと高い技術力により、多くのギタリストに影響を与えました。
アイバニーズの海外市場での成功は、日本のギターブランドの国際的な評価を高める上で大きな役割を果たしました。

Aria Pro II (アリアプロII)

アリアプロIIは、1970年代から80年代にかけて、PEシリーズをはじめとする高品質なギターを数多く製造したブランドです。
特にPEシリーズは、その個性的で美しいデザインと優れた演奏性、多彩なサウンドバリエーションで、プロのギタリストにも愛用されました。
マホガニーボディにメイプルトップ、セットネック構造というレスポールに近い仕様を持ちながら、独自のボディシェイプやコントロールレイアウトを採用し、個性的なサウンドを生み出しました。
PEシリーズ以外にも、TSシリーズやRSシリーズなど、多様なモデルを展開し、幅広い音楽ジャンルに対応。
アリアプロIIのギターは、その高い品質とコストパフォーマンスの良さから、当時多くのギタリストに支持され、現在でも高い評価を得ています。

Fernandes (フェルナンデス)

フェルナンデスは、1970年代から80年代にかけて、FSTシリーズをはじめとする数々のアーティストモデルを輩出したブランドです。
FSTシリーズはストラトキャスタータイプのモデルで、当時流行していたロックミュージックに対応するため、パワフルなサウンドと高い演奏性を実現しました。
またフェルナンデスは布袋寅泰さんやhideさんなど、多くの有名ギタリストのモデルを製作し、彼らのサウンドを支えました。
これらのアーティストモデルは、それぞれのギタリストの個性を反映した独特のデザインや仕様を持ち、多くのファンを魅了しました。
フェルナンデスのギターは、その多様なモデル展開とアーティストモデルの成功により、当時の日本の音楽シーンを牽引し現在でも多くのギタリストに愛用されています。


なお、私が生まれて初めて触れたエレキギターは、従兄弟が愛用していたフェルナンデスのストラトタイプ。アンプから出るエレキの音にシビれた体験は忘れられない思い出です。
その他の注目ブランド
上記以外にも、ジャパンヴィンテージギターの世界には魅力的なブランドが数多く存在します。
テスコはスペクトラムシリーズのような、ユニークな形状を持つ「ビザールギター」として知られています。
その他、グヤトーン、カワイ、フレッシャー、H.S. Andersonなども、当時の日本のギター製造を支えた重要なブランドです。
これらのブランドは、それぞれ独自の技術やデザインを持ち多様なギターを生み出し現在でも多くのファンを魅了しています。
ブランド | 代表的なモデル | 特徴 |
---|---|---|
Fender Japan(フェンダージャパン) | STシリーズ(ストラトキャスター)、TLシリーズ(テレキャスター) | Fenderブランドの日本法人。初期のフジゲンが製造したJVシリアル時代は特に高評価 |
Greco (グレコ) | EGシリーズ (レスポールコピー), ストラトキャスターコピー, GO/MRシリーズ (オリジナル) | 高品質なコピーモデル、多様なモデル展開、高い評価 |
Yamaha (ヤマハ) | SGシリーズ, SA-2000S, SCシリーズ, SFシリーズ | オリジナルモデルへのこだわり、高い製造品質、SGシリーズの人気 |
Tokai (トーカイ) | Love Rock (レスポールコピー), ストラトキャスターコピー, LSシリーズ | 優れたレプリカ、LS120以上のモデルは特に人気 |
Ibanez (アイバニーズ) | ARシリーズ | 個性的なデザイン、ジャパンヴィンテージの代表的なモデル |
Aria Pro II (アリアプロII) | PEシリーズ | プロ志向の設計で知られる老舗メーカー |
Fernandes (フェルナンデス) | FSTシリーズ | 当時の日本のギターヒーローを支えたモデル |
Teisco (テスコ) | Spectrumシリーズ, WGシリーズ | ユニークで奇抜な形状、サウンドの良さに定評 |
Guyatone (グヤトーン) | LGシリーズ | 当時存在感を示したブランド |
H.S. Anderson | Mad Cat | 特徴的な外観を持つモデル |
ジャパンヴィンテージギターの中古市場における価格相場
ジャパンヴィンテージギターの価格相場は、ブランド、モデル、製造年、そして何よりもそのコンディションによって大きく変動します。
一般的に、人気のあるブランドや希少なモデルほど高値で取引される傾向にあります。
人気ブランドとモデルの価格帯
フェンダージャパンの人気モデルはストラトキャスター・テレキャスターが中心ですが、中でも1982年〜1997年に製造されたフジゲン製が人気です。
この時期のギター・ベースはシリアルナンバーの頭に「JV」が刻まれており「JVシリアル」というネーミングで高く評価されています。
現在の取引価格は5万円〜40万円前後で、定価の2〜3倍の高値が付くものも少なくありません。
★【価格高騰中】フェンダージャパンの詳細・当たり年の見分け方はこちら
グレコのレスポールコピーモデル(EGシリーズ)は、状態が良いものであれば5万円〜20万円以上で取引されることもあります。
ヤマハのSGシリーズは、特に上位機種になると8万円〜30万円を超える価格で取引されることも珍しくありません。
トーカイのLove Rockシリーズ(LSシリーズ)も人気が高く、7万円〜25万円以上が相場となっています。
フェンダージャパンの初期に製造されたJVシリアルやEシリアルのストラトキャスターやテレキャスターは、10万円〜40万円以上で取引されることもあります。
アイバニーズのARシリーズは、6万円〜15万円程度が相場となっています。
テスコのスペクトラムシリーズは、比較的安価に入手できる場合もあり、3万円〜10万円程度が目安です。
もちろん、これらの価格はあくまで目安であり、実際の取引価格はギターの状態や市場の動向によって変動しますので、あくまで参考としてご確認ください。
各ブランドの中古販売価格【比較表】
ブランド | ブランド | おおよその中古価格帯 (状態良好) |
---|---|---|
Greco (グレコ) | EGシリーズ (レスポールコピー) | 5万円~20万円以上 |
Yamaha (ヤマハ) | SGシリーズ | 8万円~30万円以上 |
Tokai (トーカイ) | Love Rock (LSシリーズ) | 7万円~25万円以上 |
Fender Japan (フェンダージャパン) | JV/Eシリアル ストラトキャスター/テレキャスター | 10万円~40万円以上 |
Ibanez (アイバニーズ) | ARシリーズ | 6万円~15万円以上 |
Teisco (テスコ) | Spectrumシリーズ | 3万円~10万円程度 |
中古(ヴィンテージ)ギターの価格に影響を与える要因
ジャパンヴィンテージギターの価格に影響を与える主な要因としては、まずギターのコンディションが挙げられます。
傷が少なく、オリジナルの状態を保っているギターほど高値で取引されます。
また、製造された本数が少ない希少なモデルや、特定の年代に製造されたモデルも価格が高くなる傾向があります。
パーツがオリジナルであるかどうかも重要な要素で、さらに近年では海外からの需要も高まっており市場の動向も価格に影響を与えています。
近年の価格動向
全体的に、ジャパンヴィンテージギターの価格は近年上昇傾向にあります。
これは、円安の影響で海外のバイヤーにとって日本のギターが買いやすくなっていることや、ジャパンヴィンテージギターの品質が再評価されていることなどが要因として考えられます。
ただし一部のモデルでは過度な価格高騰も見られるため、購入を検討する際には注意が必要です。
また逆にご自身のギターを「売りたい」と思っている方は、今は高く売れるチャンスですが、価格高騰がいつまで続くかはわかりません。
最近はジャパンヴィンテージブームの影響で古い国産ギターを売却する人が増えており、今後どこかのタイミングで市場価格が値下がりに転じる可能性もあります。
もし「売ろうかな?」と迷っている人は、早めに価格査定しておくとことをおすすめします。
自分の国産ギター・ベースの中古市場価格(買取価格)を調べる方法は?

あなたがお持ちの国産ギターやベースの市場価格を調べるには、ネットで同じ型番の楽器の中古価格を検索するという方法があります。
ただし、製造年やコンディションによって価格は大きく変わってくるため明確な価格を知るのは難しいでしょう。
あなたのギターやベースの具体的な価格を知るためには、楽器の買取専門店で査定してもらうのが最も正確で簡単な方法です。
今は無料で出張査定をしてくれる業者がいろいろあるので、一度試しに査定依頼してみてください。
ネットで予約すれば、希望日に家まで来て30分以内で査定してくれるので簡単です。(必ず、無料の出張査定をお選びください)
ジャパンヴィンテージギター購入前に確認すべき5つのポイント
次に「ジャパンヴィンテージギターを買いたい!」という方向けに、選び方や事前に確認しておきたいポイントを解説します。
1.コンディションの確認:経年による変化と注意点
まず最も重要なのは、ギターのコンディションを確認することです。
長年の使用や保管状況により、傷・亀裂・塗装の剥がれ・ネックの歪みなどが生じている可能性があります。
特に40年近く弦の張力を受け続けてきたネックの状態は、注意深くチェックする必要があります。
また複数のギターの良い部分を組み合わせて作られた、いわゆる「ニコイチ」や「サンコイチ」と呼ばれるギターが存在する可能性も確認は必要です。
※「ニコイチ」「サンコイチ」とは、複数のギターのパーツを組み合わせて改造したもの
悪意のある場合もありますが、必ずしもそうとは限らず、より良い楽器を作るために意図的に行われることもあります。
ただオリジナルの状態を重視する場合は、スタンプの違いやネックポケットのずれなどを確認する必要があります。
2.年代特定の重要性:シリアルナンバーとカタログ
ギターの製造年やモデルを特定することは、そのギターの価値を知る上で非常に重要です。
シリアルナンバーを確認することで年代を特定できる場合もありますが、メーカーやモデルによっては判別が難しいこともあります。
その場合は、当時のギターカタログや、ロゴの形状・ペグの形状・パーツの仕様などを照らし合わせることで、年代を特定できることがあります。
ただし、カタログ自体が複数存在したり、年代によって細かな仕様変更が行われている場合もあるため、最終的な判断には注意が必要です。
3.操作性:ネックの形状、フレットの状態など
ヴィンテージギターの中には、現代のギターとは異なるネックの形状やフレットのサイズを持つものがあります。
例えば指板のアールが強すぎたり、フレット数が少ない場合など、現代のプレイスタイルには適さないものもあります。
できるだけ購入前に実際に試奏し、自分のプレイスタイルに合っているかどうかを確認することをおすすめします。
また長年使用されてきたギターの場合、フレットが摩耗している可能性もあるため、フレットの状態も確認しておきましょう。
4.オリジナルパーツの確認
オリジナルパーツがどれだけ残っているかという点も、ヴィンテージギターの価値を大きく左右する要素の一つです。
当時のオリジナルパーツは現在では入手困難な場合も多く、オリジナルの状態を保っているギターはコレクターからの評価も高くなります。
5.本当にヴィンテージが必要か?
ジャパンヴィンテージギターの購入を検討する際には、「なぜ自分がヴィンテージギターを求めているのか」を整理しておくことも大切です。
「コレクションとして所有したいのか?」「当時のサウンドを再現したいのか?」また「単に古いギターが好きだからなのか?」など。目的によって選ぶべきギターも変わってきます。
最近では、当時のモデルを再現した復刻版(リイシューモデル)も多く販売されていますので、ヴィンテージギターだけでなくそれらも選択肢の一つとして考慮するのも良いでしょう。
ジャパンヴィンテージギターのメンテナンスと保管方法
ジャパンヴィンテージギターを長く愛用するためには、適切なメンテナンスと保管が不可欠です。
これらのギターは貴重な歴史的遺産でもあるため丁寧に扱うことが大切です。
1.日常的なケア:演奏後のお手入れ
演奏後はギター全体を柔らかい布で拭き、指板やボディに付着した汗や汚れを取り除くことが望ましいです。
そうすることで金属パーツの錆びやボディの変色を防ぐことができます。
2.定期的なメンテナンス:弦交換、クリーニング、調整
定期的な弦交換はギターのサウンドを維持するために必要です。弦の種類や演奏頻度にもよりますが、一般的には数ヶ月に一度の交換が推奨されます。
弦交換の際には、指板のクリーニングやボディ全体の汚れを丁寧に拭き取ることも忘れずに行いましょう。
3.保管環境:温度、湿度、直射日光
ギターの保管環境は、その状態を維持する上でとても重要です。極端な温度変化や湿度の高い場所、直射日光の当たる場所は避けるようにしましょう。
温度や湿度の急激な変化は木材の収縮や膨張を引き起こし、ひび割れやネックの歪みの原因となることがあります。できればギター専用のハードケースに入れ、温度や湿度が安定した場所に保管するのが理想的です。また必要に応じて湿度調整剤などを使用するのも有効です。
4.修理とリセール:オリジナルパーツの重要性
もしギターに修理が必要になった場合は、ヴィンテージギターの修理経験が豊富な専門の技術者に依頼するようにしましょう。もちろんご自身で修理しても良いですが、無理な修理はギターの状態を悪化させる可能性があるのでご注意ください。
またリセール(中古販売)を行う際には、可能な限りオリジナルのパーツを使用することが望ましいため、改造する際にも元のパーツは大切に保管しておくことをおすすめします。
ジャパンヴィンテージギターの入手方法!どこで買うべきか?
ジャパンヴィンテージギターを手に入れる方法はいくつかあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法で理想の一本を見つけましょう。
専門の楽器店
ギター専門店は、豊富な知識と経験を持つスタッフが在籍しており、ギターの選び方からそれぞれのコンディション・メンテナンス方法について詳しく説明を聞くことができます。
またギター専門店であれば、古いギターでもしっかりメンテナンスされている点や、そのギターのコンディションに適切な販売価格が設定されていることも重要なポイントです。
実際にギターを手に取って試奏できるため納得のいく一本を選ぶことができます。
また購入後のメンテナンスや修理にも対応してくれる場合が多いので安心です。
オンラインショップ
基本的に店舗での購入をおすすめしますが、希少性の高いギターはすぐに売り切れる可能性もありますので、そういう時はオンラインショップでの購入も有効です。
ただしできるだけ信頼できる楽器店のオンラインショップでの購入をおすすめします。
またAmazonや楽天市場などのマーケットプレイスでもヴィンテージギターが販売されていますが、その際も出品元が信頼できる楽器店であるか?は確認しておきましょう。
ヤフオクやメルカリ
ヤフオクなどのオークションサイトやメルカリなどのフリマアプリでも、多くのジャパンヴィンテージギターが出品されています。
これらのサイトでは幅広い価格帯のギターを見つけることができますが、実際にギターの状態を確認できないため、出品者との丁寧なコミュニケーションが重要になります。
詳細な写真や説明を求め不明な点は必ず質問し、しっかり納得してから購入するようにしましょう。
リサイクルショップ
ハードオフやセカンドストーリーなどのリサイクルショップでもジャパンヴィンテージギターが売られています。
リサイクルショップでは、専門店やオンラインマーケットプレイスよりも安価に入手できる可能性がありますが、ギターの状態に関する知識がない場合もあるため注意が必要です。
【最後に】あなたのギターやベースもジャパンヴィンテージの可能性あり
Fender Japan・Greco・TOKAI・YAMAHA・Aria Pro Ⅱ・Fernandesなど。実はこれらのギターをお持ちの方もおられるのではないでしょうか?
若かりしころに購入した国産ギターが押入れに眠っている方もおられるかもしれません。

私の場合、定価5万円のGreco EG500(レスポールのコピー)が59,000円に。定価65,000円のFender Japan ST62-65(ストラト)が118,400円になっていました!
ジャパンヴィンテージブームの今、ジャンク品だと思っていても定価の2倍や3倍の価格が付く可能性はありますので、一度ぜひ価格査定してみることをおすすめします。
ジャパンヴィンテージギターは、日本のギターの歴史における重要な軌跡であり、その魅力は単なる懐かしさだけではありません。
安定した品質と独特のサウンド、そして歴史的価値は、現代のギターにはない特別な魅力を持っています。
もちろんFenderやGibsonなど海外の有名ギターブランドに憧れる方も多いと思いますが、今改めて注目を集めているジャパンヴィンテージギターにも、ぜひ目を向けてみてください。